2004.04.01発行

特集
■床下に、フィトンチッドによる「森林の風」を吹き込む、拡散型送風機「タービン・ブロワーPD」新登場。
■樹木が自らを守るための抗菌性成分「フィトンチッド」には、様々な効果があります。
■検証特集 住まいの大敵「結露」は、なぜ起こるのか?
□環境試験設備の紹介
□流体解析ソフト「FL DESIGNER」がバージョンアップ

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wff05.jpgSEIHOオフィシャルニュースレター 2004年 春 第05号

HISTORY OF S ~SEIHO小史~

7k8o.jpgSEIHO小史 わが人生七転八起第5回「挫折が生んだ決意


 研修から戻り、プレス担当を命じられた大石であったが、当時の九州松下電器には、プレスのことを教える技術者もおらず、訓練の場である仕事も満足になかった。「自分ひとりが頼りだ」と腹をくくった大石は、独学で、プレスを学んだ。

 昭和三三年春、九州松下電器は従業員三七〇人規模となっていたが、創業当初は受注が伸びなかったこともあり、人員は計画通りではなかった。しかし、創業期の苦しみはそう長く続かなかった。当時の日本には、小型掃除機、小型カークリーナー、自動鉛筆削りなど、モーターの応用機器が次々と発売され、やがては脱水機のついた二槽式洗濯機の発売に至る「家庭電化の波」が押し寄せていたのである。

 九州松下電器でも徐々に注文が増え、仕事が増え、それに従って人員も増えて言った。

 昭和三六年頃になると、大石の職場でも、残業が続くようになった。当時、与えられた作業着は一着しかなく、残業、残業の日々が続くと、洗うこともままならなくなった。汗の臭いや油汚れのしみついた作業着を着つづけるのは、仕事に対する志気を下げた。やむを得ず、大石は、夕方に作業着を洗って外に干し、残業は裸で行うという指示を出した。それが、上司の気にさわった。工場内では作業着を着るという「規則」をタテに、上司は大石らの窮余の策を認めてくれなかった。

 「明日からモーターの組み立てに変われ。そこで、ちょっと頭を冷やせ」。会社は、大石に配置転換を命じた。プレスの技術を独学で学び、「自分がいなければプレスの現場は回っていかない」と自負していた大石には、ショックだった。痛手は、大石の自負心が強かった分だけ、深かった。仕事への情熱が、急速に冷めていった。

 新しく配属されたホームポンプのモーター組み立ての仕事にも、少しも身が入らなかった。定時になると、残業の同僚を残して、さっさと退社した。思いもかけぬ挫折だった。大石は、かねてから思っていた自動車運転免許を取得することにした。そうすることで、気分転換をはかるしかなかった。

 自動車免許を取得し、自動車も手に入れた大石の気持ちは、徐々に変化していった。自分にも、うぬぼれや驕りがあったのかもしれないという自省の念は、やがて、仕事への意欲に変わっていった。

 「このままではいかん。モーターの組み立てでトップになって、相手を見返してやれ」。

 大石は、モーターと真剣に取り組むことを心に決めた。

 挫折が生んだ、決意だった。

SEASONS COLUM -風と住まい-

wff05h.jpg木童 ウッドコーディネーター 保利 達郎 氏『より心地いい木の家と換気の関係』


 木童(こどう)は、代表者の木原巌が、ある材木職人さんの精魂込めた仕事ぶりと、良質な木材の魅力に感銘を受け、「本当に価値のある木材をもっと知ってもらいたい」という想いのもとに設立しました。以後、全国の森を訪ね歩き、真に納得できる仕事をされている生産者の方々と協力して、生産現場と一体となった、よりよい木材のご提供に努めています。また現在では、「木のよろず相談所」として、木を使った家づくり全般についても広くアドバイスさせていただいています。

 私たちがいちばん大事にしているのは、それぞれの木材についての正確な情報をきちんとお伝えし、良い点も悪い点も含めて、木に愛着を持っていただき、より永く快適な住まいを築いてほしいという点にあります。そういった観点からも、床下など家の基礎の部分の換気というのは、非常に重要な要素です。

 床下に適した木材と言えば、湿気に強いクリ、またスギの赤身の部分なども水に強く、家の土台にふさわさい木材と言えますが、なにぶんコストの問題があります。外からは目につかない床下に、湿気に強い高級な木材を使用するというケースは、残念ながらほとんどないのが実状です。木材の場合、含水率が15%を超えてしまうと、腐朽菌の発生につながってしまいます。私共でも、床材などの乾燥にはとくに配慮しており、含水率を落とすだけでなく、水分傾斜がビシッと止まるまで充分に養生していますが、それだけではやはり限界があります。木の家に限らず、家は土台が大事ですから、床下換気扇による効率的な換気を上手に活用するなどして、床材のケアに留意していただきたい。それは、「住んでゆく年月ごとに価値が出てくる本当の家づくり」に、つながってゆくものだとも思います。

保利 達郎 氏
「想いの伝わる本物の家」をテーマとし、全国各地の真撃な材木生産者と共に、質の高い木材を提供しながら、本物の木の家づくりをサポートしている。セミナーや講演などの依頼も多く、建築誌など多方面で注目を集めている。