2014.04.20発行WIND FROM FUTURE Vol.38
2014.4.20発行
目次
■換気システム買い替えの時期 お客様へご提案ください
■押入換気扇 取付オプション 取付補強金具
■ユーザーの安心UPのために…プロの床下診断キットをおすすめします
■「長期優良住宅」と小屋裏機械換気の有効性 小屋裏換気をおすすめします
□床下換気ベーシックタイプ近日発売開始
□換気扇への異物混入にご注意ください
□テクニカルセンター「研修室」をご活用ください
HISTORY OF S ~SEIHO小史~
第38回「西邦スポーツランド構想」ー前編ー
私のこの半生記もいよいよ終章になった。私がいま描いている計画(構想)の一端を披露して結びとしたい。
その構想とは、「西邦スポーツランド」(仮称)である。これを私の夢の最初の実験場としたいと思いはじめたのは、昭和六十三年のことだった。この年の決算が大幅な黒字に転じたのをきっかけに、私は長年暖めてきた構想を、いよいよ実行に移すときが近づいたと感じた。
独立したころから私は夢を描くようになった。いや、独立こそが、私の夢のはじまりであったのだ。十年ほど前から、その夢がさらに大きく広がり、漠然としたモヤの中から骨格が浮かび、具体的なカタチになってきた。製造業一筋に生きてきたから、製造業では飽き足らなくなり、まったく異なることを求めたくなった、とも言えよう。
製造業では、モノを作って納品しても、直ちに現金が入るのはまれだ。約束手形の世界である。支払いが九〇日、一二〇日先になるのが常だ。入金が三カ月先やそれ以上先に延びたのでは、毎月の収支決算はできない。経営者にとって決算は、学期末に子供がもらってくる通知表のようなものだ。評価が5であれば立派だが、4であったり、3の場合もあるだろう。1や2の場合は努力が足りない。
当社は創業以来、手形を一切使わないことを基本としてきた。そして大手企業に負けない内容をいくつか目指している。その一は、決算の迅速化である。短期月次決算で、月末締めて、遅くとも三日後に確定することを打ち出した。これはすでに実施している。次は売上の利益を一〇%以上確保すること。これは過去六年連続間達成している。第三は一〇年連続増収増益の達成である。これも六年間達成し、目標に向かって更新中である。
数字は正直である。あらゆる口実や粉飾を拒絶し、実態を白日のもとにさらけだす。だからシビアである。また、百万語をもって語るよりも、数字は雄弁である。そして、説得力をもつ。
その評価を毎月やりたい。それが数カ月先にしかわからないというような気の長いことは、どだい私の性にあわない。できることなら、毎日評価して、その日のうちに結果を確認しないと気が済まない。そんな性急なところが私にはある。
そうなれは経営者にとっては、毎日が真剣勝負となる。厳しいこと、この上ない。しかし、ぬるま湯につかった状態よりも、鉄板の上でじりじり炒められるような苛酷な状況に身をおいていたほうが、私の性格にあっている。自虐的な試みと言われても、ぜひやってみたい。そして経営の腕を試してみたい。
失敗すれば、裸になればよい。裸になることは怖くない。もともと裸一貫で出発したのだから……その覚悟はいつでもできているつもりだ。むろん七十余の社員とその家族、パートを抱えている以上、簡単に失敗することはできない。そのことも十分わかっている。もともと成算がないことには、一円だって遣いたくない私の性分だ。成算があるとみているからこそ、その気になったのだ。