2015.01.20発行WIND FROM FUTURE Vol.39
目次
■特別対談 小屋裏の湿気・結露対策。換気の重要性について
■小屋裏の熱気、湿気・結露に!風之介ブロワー24
■湿気・結露対策用追加オプション!風之介かくはん24
□Pan/Tilt 100万画素ネットワークカメラの使い方
□セキュリティマンガ冊子のご案内
□ブロワー型ファン買替用パンチングパネル
□新型スリムノズル
HISTORY OF S ~SEIHO小史~
第39回「西邦スポーツランド構想」ー中編ー
経営にたいする私の基本的な考えはこうだ。お客様が心から満足ゆく物やサービスを提供できるならば、お客様は自然と集まってくるだろう。そして喜んで、お金を払ってくれるだろう。お客様を満足させている限り、経営の結果はおのずとついてくるはずだ。そう考えている。
要は顧客の満足度の問題である。それは製造業においても同じである。お客様が求めてないモノをいくら製造し、提供しても喜んではもらえないだろう。お客様がほんとうに求めているモノ。それは暮らしに役立つモノであったり、生活に便利なモノであったりするだろう。毎日顧客の満足を得ること、それを考えていると、サービス業となり、スポーツランドというカタチが見えてきた。
私は知り合いの不動産に、
「福岡市周辺に良い土地が売りに出たら紹介してください」
と頼んだ。数年前のことだった。
「大石社長、一万八〇〇〇坪の良い土地があります。見られますか」
と、ある不動産から連絡が入った。そこが大野城市の福岡県総合射撃場跡地だった。一昨年末である。
ちょうどそのころ、私は西邦電機の社員寮用地として、ある土地を八〇〇〇万円で買い取ったばかりだった。その八カ月ほど前、正確にいうと平成五年四月、筑紫野市永岡一〇二一番地二号の現在地に、鉄筋コンクリートの白亜の新社屋を建てていた。四〇〇坪(約一三二〇平方メートル)の土地代と建設費合わせて、四億六〇〇〇万円にのぼる事業をやり遂げていた。
将来を見すえ本社の整備計画が着々と実現していったのとほぼ同じころ、それまでまったく音さたなかった私の次なる構想の予定地が、突如として現れたのだった。
それは、当然、資金計画の見直しを余儀なくするものだった。新社屋の建設費などで銀行払いも増えてくる。タイミングが悪すぎると、とっさに思った。今回は見送るつもりでいた。
福岡県総合射撃場の跡地は、九州コカ・コーラボトリング株式会社の創業者の一人、佐渡島匡男氏の所有地だった。佐渡島さんは国体に出場したこともあるクレー射撃の選手だった。すでに鬼籍の人となっており、私に話があったとき、その土地はご子息の所有に変わっていた。坪(約三・三平方メートル)二万三〇〇〇円、というのに心を動かされた。一万八〇〇〇坪(約五万九四〇〇平方メートル)だから土地代は、総額四億一四〇〇万円である。
断るのは土地を見てからでも遅くないと思い直した。現地を見にいくことにした。平成六年、梅の花がほころびかけたころだった。