床下換気扇って必要?
床下には建築基準法で定められた開口面積が必要です。
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■床下通気口(四角い格子付きの換気口) |
これは要するに床下の湿気対策に一定面積以上の通気口をもうけなさいということなのですが、実際戸建て住宅を見てみると四角い格子付きの換気口や全周換気の基礎パッキン工法など、タイプは違えど必ず換気口が設けられています。近年は基礎断熱工法の住宅(特に北海道などの北国)もつくられるようになりましたがこの基礎断熱工法については床下と室内がつながり、床下部も室内とみなされ、断熱効果を優先させるため床下に換気口はありません。基礎断熱工法についてはまだ普及率も低い状況ですが湿気問題がゼロではありません。これはまた別の機会に触れたいと思います。
■基礎パッキン工法 |
■基礎断熱工法(特に北海道などの北国) |
話を戻します。
室内であれば、エアコン等を使い機械的に除湿・乾燥させる、窓を開けて空気を入れ替える作業を日常的に行いますね。ところが、床下は普段から目が届かないために意識されていない場所です。おそらく時々床下収納庫を開けて床下内を眺めるなんて人もほぼいないでしょう。室内でも風通しが悪いと部屋干しの洗濯物の乾きが悪かったり、お風呂場など水回りのお部屋にカビが生えたりという経験は皆さまお持ちのはずです。もちろん床下も同じです。
■床下点検口から床下を調査 |
■黒カビが生えた浴室や水周りの壁・床 |
昔々は、日本の住宅には床下の布基礎と呼ばれるコンクリートの囲いはなく、床下に風がどんどん入っていく造りでした。時代劇などで、鶏や猫が自由に床下を出入りしている場面などを見たことありますよね。神社仏閣なども人が容易に入れる床下の高さです。もちろん柱以外の障害物もありませんのでとても風通しの良い造りです。風通しの良さによって、木材も腐りにくく、虫もつきにくい。その結果、非常に長寿命な建物となっているのです。やはり先人の知恵はすごいものです。日本の気候風土を正しく理解した建築構造になっていたのですね。
■古民家 |
■古民家の床下 |
■風通しの良い畳の部屋 |
ところが、戦後、地震大国日本では住宅の強度が弱いということが問題視され、布基礎工法の現代住宅へと変化していきました。また、快適さを追求し気密性を向上させるためにますます日本の住まいは風通しの悪いものになってしまったのです。
約45年前に弊社が床下換気扇を開発、発売したきっかけもそこにあります。
■写真は「プッシュファン」試作品
当時はオイルショックなどの要因もあり、安普請(やすぶしん)と言われるあまりいい建材を使用していない住宅も多い時代でした。それでもサラリーマンが一生をかけて購入する大きな買い物です。そこで建築中の大工さんに話を聞きました。サラリーマンの一生の買い物であるマイホームはどのくらいの寿命がありますか?大工さんの答えは衝撃的でした。「大体、20年から30年。早いところは15年というのもある。」その理由は、「床下からやられる。床下が劣化して修理をしなくてはならなくなる。床下の湿気が原因。」換気口があるのになぜ?「換気口があっても、床下内の基礎なんかのせいでうまく風が通ってない。湿気を好むシロアリの被害も出たりする。」
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そんな会話の中で、床下換気扇開発の構想が生まれたのです。
床下だから特別ではなく、住まいにとってどの場所も風通しは大事。
単純なことなのです。例えば台所の換気扇を回すことは湯気や煙を排出して家の傷みを減少させます。湯気を放っておいたらその湯気(湿気)が蓄積し壁や柱の強度は劣化するでしょう。
床下も同じです。風通しが悪いまま放っておくと、湿気が溜まり木部に浸透し、その強度は必ず劣化していきます。よく古い家で歩くと床がブワブワする、畳がブワブワするなんて経験はありませんか?これらは湿気がもたらす結果です。
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また、先ほど大工さんの話にも出ましたが、湿気がこもるとシロアリやカビ、ダニ、腐朽菌などが発生しやすくなります。彼らの好む条件が湿気です。
まとめです。
床下の湿気による建物の強度劣化は、地震の多い日本には大きな問題となります。現に阪神淡路大震災での建物崩壊の多くは、シロアリや湿気によって建物の強度が著しく弱っていたというものでした。その結果、残念ながら命を落とされた方もいたということです。
■シロアリ被害の床下 |
■板を食べるシロアリ(ヤマトシロアリ) |
■倒壊した家屋 |
床下は住まいの基本、土台です。床下を健康に保つためにまずは床下の通気を良くし湿気を対策することです。それが、地震や台風にも強く、住宅そのものの長寿命化につながるのです。これは高温多湿の日本では特に重要な課題です。室内だけでなく、床下もしっかりと換気させなければなりません。
最後に
Q:床下換気って必要?
A:もちろんです。
■写真は「タービン・ブロワー」排気型(据置Fタイプ)
数多くの床下湿気トラブル現場の解決、さまざまな実験による効果検証、45年以上販売されている製品ですから自信を持ってお勧めいたします。あわせて強度が弱ってからではなく予防的観点での早期設置をお勧めしています。(強度劣化しているものが完全に元に戻るわけではありません)
最後までお読みいただきありがとうございます。
よくあるご質問
Q:日頃手間はかかるの?
A:床下換気扇は、住む方の手を煩わせることなく自動で床下を強制換気します。
※5年に一回、業者による効果・安全点検をお願いいたします。
■ハイブリッドコントローラー |
■ハイブリッドセンサー |
■フィトンチッドカートリッジ* |
■漏水(浸水)センサー* |
弊社最新モデルは、水蒸気量(絶対湿度)を感知し、必要な時に必要な運転を行います。(ハイブリッド方式)
フィトンチッドカートリッジ*(植物精油=消臭・防カビ)、漏水(浸水)センサー*も装備しています。(*一部オプション)
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